プロロセラピー(Prolotherapy)の語源は「Proliferation(増殖・増生)+ Therapy(治療)」です。直訳すると「増殖療法」となり、損傷した組織の再生を意図した名称です。
高濃度ブドウ糖溶液を靭帯や腱、関節周囲に注射し、自己治癒力を刺激して組織修復を促す治療法です。組織の修復力を引き出す“簡便な再生医療”とも言え、慢性的な痛みに対して有用です。
このような方におすすめ
- 慢性的な腱や靭帯の痛み、関節痛でお困りの方
- ステロイド注射で副作用が心配な方、あるいは効果が長続きしない方
対象疾患
慢性化した筋・腱・靭帯・関節の痛みに用いられます。代表的な適応は以下です:
- 腱障害:テニス肘(外側上顆炎)、ゴルフ肘(内側上顆炎)、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)、アキレス腱炎、足底腱膜炎
- 関節炎、変形性関節症(膝・股関節・肩など)
- 内側脛骨ストレス症候群(シンスプリント)
方法
- 患部に高濃度ブドウ糖液(1〜5ml)を注射します。
- 注射は超音波ガイド下で、患部に正確に行います。
- 治療時間は5分程度です。
- 標準的には、2〜4週間に1回、合計3〜5回程度を目安に行います。(改善があれば中止)
- リハビリを並行すると、効果が持続しやすくなります。
効果のメカニズム
1高濃度ブドウ糖液を患部に注射し、意図的に軽度の炎症を引き起こします。
2この炎症が体の「自然治癒力」のスイッチとなり、血流増加・成長因子の活性化・線維芽細胞の活性化を促進します。
3結果として、患部である腱や靭帯などの組織で新しいコラーゲンが生成され、組織の修復・強化が進みます。異常血管や神経の退縮も起こり、疼痛が軽減します。
他の治療との比較
プロロセラピー | ステロイド注射 | PRP治療・幹細胞治療 |
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組織修復を促進し長期的な改善を目指す | 炎症を抑え即効性のある痛みの緩和 | 組織修復を促進(再生医療の一種) |
組織を強化・再生 | 組織を弱めるリスクあり | 治療効果・費用ともに高い傾向 |
副作用が少なく安全性高い | 長期使用で副作用リスクが高まる | — |
従来のステロイド注射が炎症を抑制するのに対し、プロロセラピーは組織の修復・強化を促すため、長期的な改善や再発予防が期待できます。
注意点
- 注射後は一時的な痛みや腫れが数日続くことがありますが、これは治療反応の一部であり、通常は自然に改善します。
- 即効性はありません。効果は数週間〜数か月かけて少しずつ実感することが多いです。
- 注射後の炎症反応を抑えすぎないことが推奨されており、消炎鎮痛薬(NSAIDs)は避けることが勧められます。
- 重度の糖尿病の方は実施できません。
費用
当院では保険診療内で実施しております。
約300円